2004年10月の独り言

1(金)台風も去って快晴!洗濯するぞー!

昨日は美味しいランチで秋を満喫しました。眺めの素晴らしい場所にあるレストランで、目も舌も心も大満足。「にぎやかな夏もいいけど、秋は一層日本人で良かったと感じるなぁ」などと思いながら帰宅したのです。でも、そこでふと思いました。
「今日って9月最後じゃん。明日は本来なら衣替え。なのに、残暑があんまり続いていたせいで、季節感のない衣装がそのまままだ引き出しに入ってるし、だからと言って今から明日までに洋服の入れ替えはできなさそうだし。どうしようかなぁ。このままズルズル10月はなんだかなぁ。」と。
で昨夜、また自分で散髪してしまいました(笑)。だいぶそのまま伸ばしっぱなしだったので、自分では「スッキリと、ちょっとは秋らしくなったかなぁ」とご機嫌です。週末には、またコンサートに出かける予定もあるので、新鮮な気持ちでおしゃれをしてみようと思います。


2(土)くもり。湿気にも日々濃く秋の匂いがします。

土肥みゆき先生が続けて来られた「日本歌曲伴奏リサイタルシリーズ」を聴きに、京都に出かけました。今回のソリストは、バリトンの三原剛さんでした。
第10回を迎えるというこのシリーズに今回初めて伺ったのですが、私の倍以上のお年(女性に年齢の話は失礼かもしれませんが)の方には見えない、それはそれは新鮮な音楽と表情で、本当に恐れ入りました。ピアノはベーゼンドルファー。ここでまた「さすがは先輩!」との思いを強くしました。ピアニッシモでの音色の美しさ、繊細な表現には脱帽です。また力強く深みのある低音の響きも大変印象的でした。それはピアノやホールの響きのおかげというだけのものでは勿論なく、土肥先生の素晴らしいバランス感覚のなせる技に違いありません。また、以前私が演奏した事のある作品で、今回テンポの設定が随分遅いものがあったのですが、それが全く違和感なく、むしろ一音一音の間にスキのない濃密な音の空間によって包み込まれるような感覚で心地よかったのです。土肥先生のお人柄や人生が、きっと音の濃度となって表出されているのだと感じました。それは立ち居振る舞いや舞台マナーにも表れていました。
単に「続ける」というのではなく、常に新しいものを求めたり、いいものを求めるために続ける事。前にも少し述べた事ですが、「いい状態で継続している」ように見える事には、たぶんかなりの努力が隠されているのです。今日は「反省」と「尊敬」と「目標」、そして「感動」を確かに覚えた一日でした。


6(水)秋晴れ、かな。今日の夕陽と雲はいい感じでした。

ワタクシが合唱団員公式デビューを決心して数ヶ月。ついに今週末に舞台に上がります。今回仲間に入れてもらった団は、今まで学生主体で活動されていましたが、この度初めて社会人も参加OKという事になったのです。いつも指揮者と団員とを離れた所から眺めながら、しかも接着剤の役目も、という所にいたワタクシにとって、今回の眺めは新鮮で刺激的なのです。本当に楽しい!!
いよいよ本番も近づき、指揮者以外にも本当に味わいたい音楽とのギャップにイライラする人も出現、団内のいろいろな体温差が見え隠れしてきました。また見えない所ではきっと焦りを感じたり、反省する人もきっといるはずです。そういった本番前のそれぞれの思いの混ざり合いが、実は本番で音の色合いになって出てくるのではないでしょうか。一人一人の思いが溢れるように表現できた時、そこにはたくさんいればいるだけ奥行きのある印象が残るでしょう。上手下手よりも、「あぁ、この人達は、こういう物を創りたかったんだなぁ。」と感じてもらえたら素敵だな、と思います。そしてふと考えてみれば、この2曲をこのメンバーで歌うのは今回限りですから、ワタクシは精一杯の愛着と真心を持って、隣で歌うメンバーにも、そして指揮者やピアニストにも感謝と共に届けたいと思うのです。


9(土)台風がまだ来るのねー。もういいっていうのに。。。

いよいよ合唱コンクール直前練習に気合いもひとしおなワタクシ「歌い手」とまとであります。何がいいって、あんなに大勢で、年齢もいろいろで、各地から集まって、描いている夢もいろいろあろうのに、ただその練習場には「そこの団員としての夢」が描かれようとしているのです。ワタクシ、人生の財産は人との出会いだと思っておりますので、もうその空間の気持ちのいい事といったら半端じゃありません。無口な人もおしゃべりな人も、そこに来れば既にお互い「よろしく!」の思いでわかり合えるのです。そして、今回選ばれた2曲は是非自分のものにして届けたくて、暗譜なんかもしてみたりして(暗譜って楽譜を覚えるだけの事ではなく、その時生まれる情報をより多く得て、ひらめきながら演奏するために有効な方法なんですよね)。コンクールだとか審査員がいるいないは関係なく、自分たちの持ち味を生かして一人でも多くの人の心を音楽で「ほれほれ」とつっついてみたいものです。そして本業の伴奏では、冷静にかつ温かな気持ちで「サクレの良さを最大限に引き出すお手伝い」ができれば嬉しく思います。


11(月)雲が多いけど晴れてます。

コンクールが終わって、一段落のとまとです。
昨日は怒濤の一日でした。朝9時箕面に集合してエヴォリュエの練習。岐阜組も参加して、年長組も参加して、初めて約100人で音を出したのです(本番のオンステ数は歌い手98人+指揮者+ピアニスト+譜めくりさんで101人でした!)。エヴォリュエの本番時間は13時04分、それが終わってカンティサクレの自主練習があり、本番が18時51分。なんだかバタバタと気ぜわしい一日でしたが、確かに充実もしていました。その日までに積み重ねた何かを、それぞれ約10分に凝縮して出し切らないといけないのですから、集中力も瞬発力も持久力も必要です。私が関わった団は、今回ふたつとも銀賞受賞しました。思いはいろいろだけれど、両団とも指導者が優れた人達なので、必ず次につなげる積み重ねをさせて下さっていて、結果に一喜一憂をあまりしません。内容の反省点をみつめながら、もう次に動いているのです。さて、私も今日からまた次の練習しなければ!


12(火)晴れのちくもり。ちょっと蒸し暑い日でした。

「マンハッタントランスファー」というジャズボーカルグループをご存じでしょうか。急遽チケットを入手できる事になって、シンフォニーホールまで聴きに行って参りました。
舞台の上に大きなアンプやスピーカーがある状態をシンフォニーホールで初めて体験しましたが、音響の感じは思ったより大丈夫でした。座席が前から6列目の右端の方だったので、真ん前がスピーカーで最初どうしようかと思いましたが、パフォーマンスがあまりに格好良くて、気になりませんでした。そして、何よりウマイ!4人の声はそれぞれ個性的なのに見事にハモるし、ソロも当然ウマイし、結構いい年のおじさんおばさんのはずなのに、ステップを踏む感じも抜群で、客席をノセるのもウマくて、楽しくて仕方ありませんでした。私の父は生前に彼らの大ファンでしたから、ウチには彼らのアルバムが全部あります。またあらためて聴いてみようと思います。


18(月)晴れ!でも九州にはまたしても台風上陸。

先日の関西合唱コンクールにて銀賞を受賞したカンティサクレの打ち上げ昼食会に参加するために、高槻駅前の居酒屋「たご作」(この名前のイメージの割に、洒落たお料理を出すいいお店です)へ。音楽監督(発声をはじめ、総合プロデュース?)のナナエさん、指揮者のサワコさんをはじめ、全部で21人集まってワイワイ語りました。今日は私から見た「二人の指導者」について少しお話します。
ナナエさんは見た目も中身も本当におしゃれでスマートな人に思います。前に立つ人でありながら、歌う側の立場から指揮者にいろんな注文をしたり、妥協を許さず多角的な視点で音楽をとらえる姿勢は見習うべき所です。仲良し同志でも意見が違う時などは「ちょっと違うかも」と、パシッとその場ですぐおっしゃいます。考え方もクールです。団員さんたちはナナエさんの「OK!」が見たくて、いつもいい音楽を探し歩いているような気がします。
サワコさんはああ見えて(!?)実はきっと感受性が細やかで気遣いの人ではないかな。ただ時々その繊細な部分が「方向を間違えたままスピードを出してしまう」ような所があるので、粗っぽく見えたりする事も。つきあいの浅い人には少々わかりにくいかもしれません(私も大昔からの知り合いという訳ではないけれど)。ナナエさんより後輩な分、音楽的にまだ時々臆病になる事もあるようですが、指揮者として前に立つ以上は、よりたくさんの事に堂々と責任をもちたいのでしょう、自分に対する負けん気だって人一倍です。同い年なのですが「勉強熱心で素晴らしいなぁ」と、練習中そばで見ていていつも姿勢を正す思いです。
以上が私から見た二人の横顔です(もっと奥には違う面もあると思いますが)。二人とも私の音を良く思ってくれているのがわかるので嬉しくなります。適当にチャラチャラ弾いて楽をするのは、私にとって本当の「楽=シヤワセ」ではないので、できるだけこういう真剣な人達と音楽を作って、緊張もするけれど「いい時間」をもっていきたいものだなぁ、と思うのです。
そう言えば、最近の私の周りには、音楽人もそうでない人も含めて「厳しいけれど一緒にいて面白い人」が増えてきているなぁ。徐々にそうなってきた人もいるし。お、これは私にとって非常にシヤワセな事かもしれない。。


23(土)おおむね晴れ。

ダンナ平林のアシスタントとして、京都の植物園と鴨川に撮影の下見と試し撮りのため出かけました。今日は少し雲が多かったけれど、芝生の上や川べりを歩くのには気持ちの良い季節です。
昨今流行っている写真は、ピントが合っていなくても被写体はブレていても、例えば「ナチュラルな感じ」「ビジネスシーンの感じ」などが全体の雰囲気として出ていたりするものが好まれる傾向があるそうです。いよいよそういう写真を手がける事になり、元々カタログなどに掲載する写真を「できるだけ被写体がはっきりくっきり見えるように」と心がけて撮ってきた彼にとっては、違う路線への挑戦(大げさ?)となった訳です。ここのところワタクシやマイ妹を使って、お天気のいい日に近くのコスモス畑に出かけたり、マイマンションの屋上で撮影の練習をしていたのです。その甲斐あって、最近の写真が上司や得意先のエライさんから上々の評判だとか。これはやはり嬉しいようです。
「腕をあげる」という事とは別に、「いろんな方法を知っていて使い分ける」という事が大切なのだと思います。たくさんの方法を知っている事が前提で、どれをいつ使うかでその人のセンスが出ます。もう少し年をとったら「ワシはこれこれこういう物しか撮らん!」という事もできるでしょう。今はきっとまだ選ぶ段階ではなく、とにかくいろんな方法を知る時期なのですね。また引き出しに少し物が入って、明日からの仕事に少し余裕が出るというものです。モデル役はかなり照れくさいけれど、そう思って協力しようっと。

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