2004年5月の独り言

1(土)晴れた!行楽日和でした。

今日、プロ野球(阪神対ヤクルト)を観戦しに初めて甲子園に行って来ました。
12時開門14時試合開始でしたが、とれたチケットがレフト側外野自由席だったもので、早めに並ぶ事を考えて11時に到着。風も爽やかにそよぐいい天候に恵まれた事もあり、待つのも別に苦にならず、気合いの入りまくった怖いほどの阪神ファンに圧倒されつつ開門をワクワクしながら待ち構えておりました。その列は正に老若男女が入り交じり、しかし思いは一つ、勝利だけ!といった感じでした。まだヨチヨチ歩きの子供でも、ファンクラブ限定の黄色いユニフォームのお母さんに手を引かれたその背中に大きく「24 HIYAMA」としっかり書かれていたりするのです。我々の前に並んでいたお姉様(年下かもしれん。ごめんなさいねー。)3人組はどうやらヤクルトファンらしく、青い傘を携えて、いろんな選手と撮った写真を自慢しあっていました。そこにいるのは野球が好きで集まって来た人達なんだけど、よく見ているとそれぞれの人間模様までなんとなく見え隠れして面白いものです。試合の結果は2対1で阪神が勝利!開店直後の阪神百貨店のタイガースショップでメガホンとリストバンドを買って、応援しに行った甲斐がありました。ちょっと声が枯れたかも。。


4(火)一日中雨が降りました。五月雨かぁ。。

今日はフルートの水越典子さん門下生発表会、張り切って伴奏して参りました。
合わせが2回で本番という条件の中、初心者から音大出身者まで気合いもひとしおで臨む年一回の一門の晴れ舞台の出演者は全部で37組。朝9時リハ開始で11時30分から本番、終演は17時過ぎ。昼食を摂る時間もままならないハードな日で、さすがの私もかなりクタクタです。ここ3年ほど毎年大阪肥後橋のイシハラホールで行われているのですが、ここのベーゼンドルファーのピアノが素晴らしい!その佇まいはまるで「美人なのに気さくな友達」みたいな感じで(笑)、一年ぶりに再会した彼女(?)は「久しぶり!元気だった?」と笑顔で迎えてくれたような気がします。この仕事をしていて幸せな瞬間の一つは、こういう素敵な楽器に巡り会う事だなぁ、とあらためて実感しました。勿論、難しい楽器、難しいホールもあります。例えば、雨が降ると湿気で音の出ない鍵盤がある古いピアノで弾いた事もありました。でも、そこで私にできる最大限の事は「その空間にいい音を満たす努力」だし、そのために日々練習しているのだと思っています。聴きに来られた中の一人でも「来てよかった」と思って下さったり、共演者が「気持ち良く演奏できた」と感じてくれたら嬉しいのです。今日は、上海単身赴任から今月一日に帰国し出演された寺井さんの「モーツァルトのニ長調の協奏曲」が良かったなぁ。伴奏していたので吹いてるお顔は拝見できなかったけど、音楽が楽しそうな表情に感じられたのです。これは本当に嬉しい。さてと、明日からまた練習、練習。


9(日)朝から雨降り。でも甲子園では中日対阪神デーゲーム。5:16で逆転勝利!!

カンティサクレの伴奏で大阪府合唱祭お母さん大会に出場して来ました。おととし初出場で優秀賞を頂き、去年は2度目のチャレンジにして全国大会の切符を頂き、3回目の今年、お蔭様でまた優秀賞を頂く事ができました。私は、彼女達の伸び伸びとした考え方や姿勢がいいなといつも思うのです。普通は、いい成績が続くとプレッシャーで大変だと思うのですが、指導者の西野さんが上手に持っていってらっしゃるようで、結果には不思議と無頓着というか欲がないのです。ただ「いい音楽を体感したい」という感じでしょうか。だから彼女達はいつだって朗らかで前向きです。そして確かに恵まれていたのでしょう。指導者の求める声の好みと団員の目指す歌声が一致している事、指導は理屈中心ではなく身体の使い方やフレーズのつかみ方など多方面から楽に発声できるように、また彼女達が歌いやすくなるように指揮法も柔軟にいつも工夫される事、指揮者が超ユニークなキャラクターで、しかも舞台でいい雰囲気をくり出す事など、いろんな幸せな偶然が重なって、結成3年余経つ現在ここまで成長できた、いえ、更にその成長は現在も進行中なのですね。さぁ、ひとまず秋のコンクール、そして来年春のジョイントコンサートに向けて、また気分も新たに頑張りましょう!


11(火)曇りのち晴れ。少し蒸し暑かったけど、阪神は巨人にまず1勝!

つい先日、ある友人とのメールのやりとりの中で出てきた疑問。「好き」という事と「愛している」という事はどう違うのか、と。答えははっきり出ないと思いながら、誰もが多分時々考える事ですよね。「どう思う?」と聞かれて、少し考え込んでしまいました。例えば「好き」というのは、割と楽に他人に発表できたり、その理由まで話す事ができたり「私も!」と同調しやすいけど、「愛している」という事は自分の中の奥深くにあるもので、他人に発表はあまりしないし、理由もよくわからなくて複雑な事が多いし、そう言っている人に対して安易には同調しづらい、とか。
あと「好き」は一時間後「やっぱり嫌い」に転じる事がありえそうだけど、「愛している」はそうそう変わらないんじゃないか、とか。「愛している」は、もう既に自分の一部になっている感じでしょうか。だから、その事で自分にとって分が悪い何かが起こったとしたら、その対象を「嫌いになる」のではなく「自分が傷つく」ような気がするのです。思えば心のアチコチ痛い目にあったなぁ。。。
例えば私は音楽を愛する一人ですが、自分がまずい演奏をしてしまったり、気の合わない人と共演してイザコザがあったり、また好みでない演奏を聴いたからといって音楽を嫌いにはならないのです。自分自身の不甲斐なさや音楽の難しさに直面し、傷つき落ち込むという訳です。いっその事、音楽ごと嫌いになって自分の中から排除できていたなら、ある意味楽な人生だったかもしれませんけどね。
考えてみると、「傷つく」事は実は「愛」と隣り合わせだなぁ、なんて。「傷つかない」ように生きていくのは一見平穏無事でいいのかもしれないけど、そこに「愛」がみつからないとしたら、味気なくてつまらない日々にもなってしまう気がします。時々傷ついて、心がひどく痛い事もあるけど、私は愛をもって生きていきたいものだなぁとあらためて思うのでした。


16(日)昨日からずっと雨が降ってます。。

昨日の甲子園ナイター広島対阪神は12回延長戦となりました。途中から雨が降ってきて、投手はロージンを下に置かずポケットに入れながらの力投、打者はヘルメットからポタリポタリと落ちる滴を振りはらいながらの試合が進み、息詰まる熱戦でした。
何度も阪神はチャンスを作りながらそれを生かせなくて「あぁ、これを生かせないなんてやっぱり今年はダメだなぁ。。」なんて思って見ていましたが、10回11回と進むにつれて「この粘りこそ良くなってきた証拠なのかも。。」と思い始め、一度はあきらめかけた勝利を願って、いつのまにかまた必死に応援していたのです。
12回裏2アウトからベテラン久慈選手と八木選手のヒットで1塁2塁。いぶし銀の底力です。この段階でテンションは相当高くなっていました。ここで赤星選手登場。一発が出ればサヨナラの場面です。去年リーグ優勝を決めたのが彼のサヨナラヒットだったので、期待するなという方が無理ですね(笑)。そして、なんとその期待通りヒットが出たのです!
さすがはレッドスター!!今年は去年ほど強さが抜きんでてはいないけど、やはり面白いチームだなぁ、と思います。いつも楽しませてくれてありがとー!弱くても応援するぞ!
さてと、思ったより試合の感想が長くなってしまったので、そのあとに見た映画「ボーリング フォー コロンバイン」については、次回の独り言で書く事にします。


18(火)梅雨入りしたかのような雨模様が続いてます。

「ボーリング フォー コロンバイン」というカナダの映画を観ました。現代アメリカの銃問題に鋭く切り込んだドキュメンタリー作品です。1999年4月20日アメリカが旧ユーゴスラビアのコソボ紛争における最大規模の爆撃を敢行したその一時間後に、コロラド州のリトルトンにあるコロンバイン高校で生徒二人による銃乱射事件が起きるのです。生徒12人、教師1人を殺害した後、二人とも自殺するという衝撃的なものでした。
あらゆるメディアが分析を試み「TVや映画、ビデオゲームによるバイオレンスの氾濫が悪いのだ!」「失業率の低さが問題だ!」「家庭の崩壊の産物に違いない!」「いや、アメリカが建国以来たどってきた暴力的な歴史のせいなのだ!」と騒ぎ立てたのです。報道はどんどん過熱し、犯人の一人が聴いていたという理由で、ハードロック歌手のマリリンマンソンのライブがコロラドで禁止されるという一幕もありました。でも考えてみたら、ビデオゲームは日本の方がはるかに進んでいる、失業率はカナダの方が低い、家庭崩壊はイギリスの方がひどい、なのになぜアメリカだけ銃犯罪が突出しているのか、この映画の監督マイケルムーア自身がいろんな人達に「アポなし突撃取材」を敢行していくのです。
印象に残るシーンがいくつかありますが、まずマリリンマンソンのインタビューシーン。これを見るまで私は彼の事を「メークも派手だし音楽も攻撃的で、きっと刺激的な発言をするに違いない」なんて思っていたのですが、全く違いました。非常に冷静で頭が良くてまともな事を言う人でした。あと、銃で撃たれた被害者たちが銃弾の販売禁止を求めて、スーパーマーケットで銃弾を買うシーン!お金さえ払えば小さな子でも買えるのです。そしてついに6歳の子が同じ6歳の子を殺害してしまう事件まで起きました。嘆かわしい!
そして、全米ライフル協会の象徴的存在でもあるチャールトンヘストン(ベンハーに主演した俳優)の自宅にも取材しに行きます。「今自宅に銃はありますか?」「あります」「銃弾は?」「入れてある」「どうして入れておく必要が?」「そうする事で安心するし落ち着く」銃弾の入ったライフルが家にあるから落ち着くなんて、そんな世の中間違ってませんかねぇ。6歳の子の事件があった学校にも取材に行くのですが、そこの先生が話をしながら思わず言葉に詰まり、監督は肩にそっと手を置いて「いいんだ、いいんだ」となぐさめるシーンがあります。優しいぬくもりが伝わってくるようでした。この監督のちょっとお茶目な風貌も、またこの映画のテーマに一つの救いをもたらしているように思います。そしてこれが現実かと思うとゾッとします。でも是非一度ご覧あれ!!


20(木)冷たい雨続きです。台風も接近。

昨日は京大ハイマートと立命館メディックスの合同練、今日はクリトメリアで飯沼さんとの練習が続き、そこで出た話です。あるホームページ上で、
「合唱する人達は皆、声の質を合わせたり音程を合わせるのに苦労している。その事を知ったあるバンドの人が、例えば個人の声をサンプリングしてコンピューターを使って合わせれば、おそらく何の問題もなくピッタリと合うのではないか、と言った。」
という話を読んだ飯沼さん、それは面白い意見だけどやっぱり違うんだよね、と。
突然ですが、私はピアノデュオというものが好きで学生時代から勉強を続けています。1台のピアノに並んで座り高音部と低音部をそれぞれ担当する「4手連弾」、2台のピアノを向かい合わせにして弾く「2台4手」とがありますが、それぞれ違った面白さがあって、どちらも大変いいアンサンブルの勉強になります。一緒に勉強している相方は、仲の良い友人なのですが、さすがに毎日合わせる訳にもいかず、またお互いの曲の解釈やバランスについてなど、音楽的な事で言い分が違う事もありました。
ある日、相方の部分を自分で練習しそれを録音して、音量を上げてスピーカーから流し、「一人デュオ」で練習しようと思い立ちました。「これなら誰と弾くよりピッタリくるはずだ。第一、どう弾きたいか、どう解釈しているのか説明しなくていいし、バランスや音質を合わせる時間も省けていい!楽しいぞ!」と、かなり自分の中で盛り上がっていたのです。ところが、やってみると全然面白くない。当然合うのです。音質、バランスとも申し分なく、タイミングもバッチリ、でもつまらない。「あらら?」という感じでした。
つまり「合う」事が楽しいのではなく、「合わせていく」「だんだん合っていく」事が楽しかったのです。違って当然の他人同志が「こうしてみよう。それはやめよう。あれはどうだろう。」なんてやりとりをしながら、少しずつお互いの考え方や人間性なんかも分かってきて、やっと出来上がったものにはそれまでの過程に築いた愛着やドラマがある訳です。それがきっと面白いんですよね。日々いろんな人達と面白いものをたくさん作り味わえるこの仕事、自分から飛び込んだものの、ストレスがたくさん生まれる事だってそりゃああります。でも今までの苦労だって思い出すと意外と懐かしかったりするんですよね。今抱えるイロイロも、いつか振り向いて「あぁ懐かしい!」と思えるといいなぁ。


24(月)晴れー!気持ちいいー!

昨日、大学時代の同級生が集まって飲む「古味会(コミカイ、と読む)」がありました。コントラバスの古味君がいつも中心になって皆を集めてくれていた事から、ずっとその名が継続されています。今は半年に一度くらいかな。昨日は途中参加も含めて9人。なぜか前回からマイダンナもメンバーとなり(?)、皆いい人ばかりなので楽しく過ごしているようです。今回はホルン吹きの「けーちゃん」がドイツから帰って来ているので、集まる事になりました。主宰の古味くん、マイペース「兵頭くん」、お世話係でムードメーカー「原っちょ」、実は酒豪(?)「ちゃか」、天才ピアニストで豪快姉さん「ドイトモ」、途中参加メンバーは、個人的に言うと卒業以来のご無沙汰「くぬぎくん」でした。皆それぞれ味のある人生を経て再会する、という意味では「古味会」って偶然ながらいいネーミングだなぁ、と思うのです。そして「誰それくんがヨロシクって言ってたよ」などと言付けがあったりして、「そう言えばアイツどうしてんの?」と皆で噂するのも、また楽しい時間となります。やんちゃしてた人が子煩悩だったり、子供っぽかった人が大人の話を始めたりして「おー、成長したなぁ」と茶化したりするのも、昔をよく知っているからこそできる事なのですね。しかも中には高校時代からの同級生もいますから、そうなるとウン十年来の友人という事になりますか。ひゃあ。。驚きと感動を覚えます。。「けーちゃん」、今度帰って来た時も会いたいね。日本語忘れるなよー(笑)。また「古味会」で皆に時々会って、いろんな話をする日を楽しみに私も頑張ろうっと。


26(水)昼間は暑く、日が暮れると涼しひ。ヘックショイ。。

ここのところは、すっかり合唱漬けの日々です。今日午前中にあったゆきやなぎでも、合唱祭に向けて暗譜できてきたし、メゾさんがどうしても取れなかった音も取れる確率が少し高くなってきました。伴奏が超絶技巧(?)な曲なので、ワタクシも頑張って練習をせねばなりませぬ。はぅ。。。
そして夜は谷混の合唱祭前最終練習に行って来ました。彼らはいつも、本番前の最終練習が終わった後に「結団式」という事をします。一人一人に紙コップが配られ、ジュースで乾杯をするのです。谷混は毎年、副指揮者の公式デビューが合唱祭となっており、今回のお披露目は「二代目みっちー」植道くんです。彼は今日、結団式の段階で既にグッときているようでした。新米なりに初舞台のために春からずっと頑張ってきたもんね。まずはお客さんも一緒に巻き込んで、のびのび音の世界を楽しもう!これから演奏会を迎える他の学生指揮者たちも、それぞれの団の船頭さん役しっかり頼んだぞー!私も一緒に漕ぐからねー。


30(日)雨の予報でしたが、結局大して降らず、蒸し暑い一日でした。

恒例の京都府合唱祭に行ってきました。会場の京都会館はあまり響きのいいホールではありませんが、合唱祭の時期になると、あのホール前の雰囲気が恋しくなるのです。独特の人の多さと熱気、そこにいる人達の表情やざわめきなど、京都ならではのお祭り状態です。たいがい蒸し暑くなるので、ホール前には毎年「かき氷屋さん」の屋台が出現するのですが、今年はいなくてなんだか寂しい気がしました。私は伴奏する2校の出演時間がかなりはなれていたので、空き時間を利用して三条木屋町にある「キルフェボン」というケーキ屋さんに行く事にしました。連れもって行ったのは谷混のOBOG連中が6人。非常に美味しくて楽しい時間を過ごしました。京都にお越しの際は是非お立ち寄りを!ちなみに静岡が本店で、東京や名古屋にも支店があり、全国で京都が一番西なのだとか。今日私が選んだのは「赤いフルーツのタルト」。イチゴやラズベリー、クランベリーなどの新鮮なフルーツがいっぱいのせてあり、超美味でした。肝心の両校の出来映えですが、両校とも副指揮者の公式デビューだった事もあり、もっと緊張してガチガチになるかと思いきや、割といい感触がつかめたような気がします。この後、メディックスはジョイント、谷混はサマコンに向けて、また同じ曲をパワーアップしてお届けできるように頑張らなきゃね。おっと、その前に関混連での松下耕さんの「北へ」があるんだった!これはメディックス正指揮者堀岡さんのレパですが、私自身最近楽しく弾けるようになってきました。民謡が格好よくアレンジされた作品です。平日の夜だけどお客様にたくさん来て頂けたら嬉しいなぁ。合唱も格好いいけれど、ピアノがまたかなり格好よくて気持ち良い!一人でも多くの人に広めたい名曲です。

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