2005年3月の独り言

5(土)くもりです。

この時期、例年は完全オフシーズンのはずが、今年は全く様子が違います。2月から3月にかけて本番が立て込んでいて、週1回以上コンサートを抱えたりしたのです。
この異例の演奏会シーズンが昨日をもって一応終了でした。飯沼京子さん門下の歌い手さんによる「スプリングコンサート」。学生時代に音楽を勉強して、その後合唱等で歌い続けて来られた5人の方々が、ソロの演奏でも人前で歌ってみようと企画されました。昨年秋頃に飯沼さんからお話を頂いた時、「一晩の演奏会で全員の伴奏は大変かなぁ。。」と気遣って下さいました。ところがワタクシ、この仕事を始めてからというもの舞台大好き人間になってしまい、大抵のコンサートで「できればずっと弾いて居たいなぁ。。」と思うのです。一人だけ伴奏でも全員伴奏でも、本番テンションに上がるのは同じ、それならできるだけたくさん弾きたい、と。
それと、共演者のいい所をどんどん発揮してもらうのが生き甲斐なので(笑)、例えば他のピアニストが共演者のいい所を発揮させてないと歯がゆくてたまらないし、またいい所を存分に発揮させてたりするとそれはそれで悔しい(笑)。この仕事をしていれば、いつもぶつかる事ですけどね。欲張りなんでしょうかねぇ。。
昨日の終演後は、どの歌い手さんもひとまず終わってホッとしている感が楽屋に充満してました(笑)。それぞれの日常は、半年くらい前から少しずつ緊張を帯びてきていたでしょうから、それが解放された感じでしょうか。でもコンサートをやってみたら何かがやっぱり楽しくて、「やっと終わったぁ!」と言いながら心のどこかではまた次の舞台を踏みたくなっているかもしれませんね。


8(火)暖かい日。ってか、暑かった。

久しぶりに高校時代からの友人と3人でランチを食べに行きました。そのうちの一人、既に小学校1年生の男の子のママの、彼に関する面白い話があったのです。
彼は今、近所の公立の小学校に通いながらそろばんを習っています。まだハイハイをしていた頃から、数字のマグネットや積み木にかなりの興味を示していたのですが、ここへきてその才能が開花しているというのです。特に暗算の能力が優れているらしく、大阪府内でも相当いい成績なのだとか。もう既に何度かコンテストのようなものを受けたり表彰されたりしています。聞けば、4ケタのかけ算もするそうです(なんですとぉ?!)。
ところが、いい点数を取る事が彼の楽しみではなく「数字と戯れる」のが好き、つまり、気が向かない時もあって、そんな時は集中できずに「10-9=?」という問題を間違えるのだとか(笑)。同じそろばん塾に通う有名小学校の2年生3年生たちが「決してケアレスミスをしないように!」と息がつまるほど頑張って問題を解いている横で、鼻をほじったりして(!)のんびりしている事もあるそうです。このテストで間違えても次があるさ、と。ママはやはりケアレスミスが残念なようですが、私ともう一人の友人は「いいなぁ、そういうの!このまま伸び伸びと育っていってほしいなぁ!」と彼の才能とおおらかさにいたく感服したのでした。


14(月)ホワイトデーです。いい天気。

相変わらずのバタバタした毎日を送っておりますが、そんな中ふと思った事。
小学生の頃「分数のわり算なんて、生きていくのに役に立つのか?」と疑問に思いませんでしたか?私はそんな事ばかり考える子どもでした(苦笑)。なんで「走れメロス」を読まなきゃいかんのか、なんで「元禄時代の文化」を知ったり、「元素記号」を覚えるのか、なんでピアノを練習しとるのか、と。
それって、社会で生きていくための方法のひとつなんですよね。直接役に立つ事は少ないかもしれないけど、人間関係を築くのに、自分の意見を主張したり人の意見を聞いたりする時に、「気持ちのやりとりを想像する」のに役立っているのではないか、と思うのです。
いろんな事を知っている人は、想像力が豊かです。その分、悩みや迷いもあるけれど。でも自分の感覚・直感と、知識・教養の両方からイメージを湧かせる事ができるんですね。たくさんを知らなければ選択能力を養えない、という事かな、と。選んだ事には責任を持てると思うんです。それが自信、ですもんね。
いや、なんだかもってまわった文章になっていますが、要するにワタクシは強さも弱さもわかって持っている人になりたいなぁ、と思った訳でした。


16(水)久しぶりに暖かい日。

突然ですが、きのう歯が折れました!
といっても、なんでもない元気な歯が折れたのではなく、虫歯で治療して詰め物をしていた所に新たに虫歯ができて、削られて薄く残っていた元の歯が割れたのです(ちなみに右の八重歯です)。
虫歯が気になって舌で触っていたら、「パキッ!」とイヤな音がして焦りまくったワタクシ、すぐに歯医者に「今から行ってもいいでふか?」と、歯をかばってしゃべりにくいながらもまず電話。19時半で終了する歯医者さんに19時25分頃到着して、割れた所を取り去って仮の歯をとりあえず入れてもらいました。
これを機に、「気になる虫歯をぜーんぶ治療宣言!」。あの歯医者独特の金属音が苦手だし、一度麻酔が効かなくて激痛の中「親不知」を抜いて気絶しそうになったりしたトラウマもあり、怖くて足がガクガクしたけど。でもおかげで助かったもん。たまたま昨日は歯医者さんがまだ開いてる時間だったから良かったものの、歯がグラグラしてしゃべりにくいわ、食べにくいわってそれ、はっきり言って最悪です。
今までより少し小さくなった八重歯で、お医者さんの技と有り難みを痛感しつつ、今日も美味しいご飯を頂きまーす!


17(木)朝からずっと雨。

先日のホワイトデーに、ダンナからプレゼントをもらいました。
今年は帽子。と言っても、ふちのあるタイプではなくキャップ型です。いわゆる「野球帽」。今年はたまたま一緒に買い物に行く機会があったので、ブラブラしながら何がいいか探していたのです。で、あるお店でキャップを発見したダンナ、私にかぶせてなぜか爆笑しながら「似合う似合う!」と叫ぶのです。そのキャップの前中央にフリスビーをくわえた犬(彼の名前はROCKET)の刺繍がしてあり、ひさしの所に「Life is good」と書いてあります。後頭部には大口を開けて笑う人の顔(彼の名前はJAKE)の刺繍もあり、それを見た私も笑ってしまいました。なんだか妙に脱力感のある帽子です。気に入りました。ご興味のある方は「Lifeisgood」で検索してみて下さい。キャップの他にも、Tシャツやらマグカップやらステッカーなどいろんなグッズがあります。どれも中間色を使った色味が独特のいい雰囲気で、もんのすごー可愛いですよ。


26(土)日中は気持ち良く晴れました。

久しぶりにのんびり朝寝坊をして、岐阜に住む弟から送られてきた「ういろう」をおめざに、ゆっくりブランチをしました。バタついた日々の中、ホッとするひとときです。
今月末に「うたう劇場」のCD録音を控え、先日その合わせの練習に行ってきたのですが、なかなか一人で練習している時のようにはうまくいきません。一人で弾いている時は、ソロの部分を想像しながら弾くのですが、当然歌い手は私の想像の通りに歌ってはくれないのです。特に、以前コンサートで取り上げた曲は、その記憶をたどりながら新たに練習するのですが、これが意外とクセ者で、作曲者と歌い手と私がそれぞれ記憶の中にあるものをたどってそれぞれイメージを再構築した後に出会った結果、この期間に少しずつ「ズレ」のようなものが発生していたようなのです。そこがまた面白くもあるのですが。
そのズレをできるだけ修正、というか有効に利用しながら、また新たなイメージやニュアンスを盛り込ませながら、また今回初めて取り組む作品は、その音に含まれる作者の想いをできる限り汲み取って、今私の中にあるベストを尽くすのみだなぁ、と思っています。
秋には発売になり、その発売記念演奏会も予定されています(放浪予定参照)。素晴らしい歌い手による、平田あゆみ作品集。既にご存じの方も、まだご存じない方も、どうぞお楽しみに!!


30(水)快晴でした!

ようやく「うたう劇場」のCD録音を終えました!滋賀県にあるスタジオを借りて、2日間缶詰め状態で録っていきました。ただ、人気者がメンバーに集められたせいか(笑)今回のための練習が1回しか取れず、やはり少々不安があったのです。でも、いざ始まってみれば皆さん集中力のある方ばかりなので、それなりに時間はかかりましたが、いいものができるような予感がしています。
今回、録音の方法が少し変わっていました。というのも、ピアノと歌がなんと同じ部屋でなく別々の部屋なのです!その方が、あとでミキシングをする際に全体の音を調整するのにいろいろ好都合なようです。
でも、まず大きなヘッドフォンに慣れるまでが大変でした。歌の人たちがいるブースと、ピアノの譜面台の横にそれぞれモニターを置き、お互いの表情や動きをチェックしながら、ヘッドフォンを通した息づかいで合わせるのです。つまり、自分の音も直接でなく密閉された中で歌と同時に聴く状態だった訳です。その方法をとると言われた時、難しいんじゃないかなぁ、とちょっと臆病になっていました。側にいて合わせても合わない場合があるんですから、ましてや離れた部屋同志なんて、と。
でも考えてみれば、普段から「聴く」事を中心に合わせていれば、なんの問題もないのですね。実際、演奏中はあまりモニターを見ませんでした。それより、休憩中に誰かが口に含んだ飴をバリバリかみ砕いている音や、お腹がグーと鳴る音が聞こえて思わず画面を見るくらいのものでした(笑)。
このスタジオは森さんとおっしゃるご兄弟(お二人ともカッコイイ!!)が経営されていて、クラシック以外にもいろんなジャンルの人達が録音に訪れているそうです。お二人は技術もさる事ながら人柄も素敵で、スタジオは本来我々が緊張する空間のはずなのに、またあまりに素敵な洋館なので、不思議と心地よい場所でもありました。
明日は第1回トラックダウンの様子を見に、平田さんに同行します。また独り言ページで報告をしますので、こうご期待!


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