2005年6月の独り言

4(土)晴れのち雨。一時ザーザー降りでした。

いよいよ明後日は関混連です。今日はその最終練習のために、立命館大学びわこくさつキャンパスに出かけました。
団員達の表情はさすがに引き締まっていて、緊張感がイヤでも身体の中から生まれ出てきているようです。この緊張感をうまく集中力に変換できたら、きっと彼ららしい演奏になるでしょう。
今回取り上げた信長貴富さんの「思い出すために」という組曲。男声バージョンにも女声バージョンにも編曲されている人気の高い曲です。寺山修司さんの詩は、特に難しい言葉は使われていないけれど、読めば読むほどに味や香りの立ってくるようなところがあって、本当に素敵です。この演奏会では「かなしみ」「世界でいちばん遠い土地へ」「ぼくが死んでも」「思い出すために」の4曲を演奏します。
さぁ、若い彼らが緊張した中でそれをどこまで表現できるか、楽しみです。真っ直ぐでひたむきな表現に偏ると、この作品には少し薄味に思われてしまうけれど、それでも彼らは今日までその思いを声にのせようと頑張りました。彼らが力を存分に発揮できるように、何かいい体験のできる舞台となるように、そして来て下さった方にこの作品の魅力を伝えるために、私も精一杯を尽くそうと思います。


7(火)くもりっぽいお天気。

おとといの日曜日は「うたう劇場2005女声合唱団(仮)」のオーディションでした。応募者は30人強で、事情があって別の日に受験する5〜6人を除いて、13時半から歌唱とちょっとした質疑応答を一人ずつ行い、15時半から受験者全員で課題の2曲を合わせてみたのです。
個人で受けている時から、ただ「どんな持ち声か」だけでなくアンサンブルに合う声かどうかなどはわかりました。が、全員で合わせるとまたいろんな意味で面白い事が起こるものです。普段から自分の声だけを愛している人は、合唱する時には自分の声が聴きづらくなるのでいつもより頑張ったりします(悪い意味で)。音がわからなくなればなるほど、声を頑張って出していくのです。これは周りにとっても非常にツラく耐え難い(苦笑)。例えば正しい音程の人が「この音だよー」と出して下さったりするのは本当に有り難いのです。でもそういう人は、たいがいさり気ないし(笑)、変に頑張ったりはしないのですよね。
続いて昨日は関混連。メディックスの伴奏で、信長さんご本人がいらっしゃった中、彼の「思い出すために」を演奏しました。リハの時から、まず団員たちのホール負けしていない雰囲気が頼もしく、密かにワタクシ「いい感じだ。。」と喜んでおりました。本番では、多少音の入り等が消極的だったりしたものの、曲が進むにつれていつもの伸びやかさが出てきました。少なくとも「この曲が好きだ!」という彼らの思いは届けられたのではないか、と思っています。なかなかお客様の反応も良かったようで、客席やロビーで知り合いが実にいい顔をして近づいてきてくれたので、これはワタクシとしても大いに嬉しいところです。合同曲の「いまぼくに」を初めて拝聴しました。なかなかの難曲ですが、詩とのバランスのいい素敵な曲です。と、ワタクシに伝えてくれた歌い手たちと、本城先生の指揮、そして熊谷先生のピアノに、本当に感謝、です。(そして昨日の会場で、ある方から直々にお話があり、実はワタクシも来年この曲を弾く事になりそうなのです!詳しくはまた後日。。)
「いい発声(ブレス)」でないと「いい響き」は生まれません。しかも詩のある音楽ですから、「何と言っているか」だけでなく、そのニュアンスや意味を伝える事も必要でしょう。他にも気配りすべき事はたくさんあります。しかし伝える私たちに大切なのは、その根本に「その作品への愛情」がどのくらいあるか、という事ではないかと思うのです。それなしで、たとえいい発声で歌われても一体何が伝わるのか、と。単に声がいいとか、ピアノがうまいとか、それしか伝わらない演奏なんて考えてみれば気持ちの悪いものだ、と思ってしまうのは私だけでしょうか。。


10(金)くもりがち。そろそろ湿気の季節かぁ。。

ただ今、合唱シーズン爆走中でございます。今日もこれから京都楽友合唱団の練習です。昨日は昨日で、もうすぐに近づいてきた大阪府合唱祭のために、クリトメリアの練習が朝から15時すぎまでありました。その後、大学時代の先輩マキさんとのフルートの合わせでした。毎月1回程度合わせるのですが、これは来年小さなコンサートを開くための準備なのです。私自身はバタバタしていてしっかりとした練習はできていないけれど、それでも合わせていると楽しくなってくるし、ワタクシお気に入りのタクタキシビリのソナタなので癒されたりもしています。マキさんはお昼間はOLをされていて、限られた中でのフルート吹きとしての時間なので、たとえ難しいパッセージや息継ぎの難しい箇所があってもねばり強く改善して、それはそれでまた楽しそうに見えます。ハッとしました。つい、情報にまみれているとマヒしたり見えなくなっている事があります。それを少し思い出させてもらった気がしました。忙しい中だとしても、音楽を適当に「こなす」ような事はしたくないとあらためて思い直しました。反省。。いつも周りの音(響きにも言葉にも)に敏感に反応のできる、新鮮な耳とバランス感覚を持ったピアノ弾きでいたいと思います。


13(月)蒸し暑い季節になりました。

ゆうべ、今年の梅を使って梅酒の用意をしました。
ふと去年のビンを見ると、日付が6月13日になっていました。つまり、ちょうど一年前に漬けたものだったのです。気づかずに漬けたけれど、毎年梅雨に入った頃の恒例行事っぽくなっていた訳ですね。せっかくなので、1年物の梅酒を味わう事にしました。調子に乗ってロックで2杯目にさしかかった頃、急に酔いがまわってきました!そうか、結構強いお酒なんだった!でもいい気持ちで眠りにつく事ができました。ヒック。。


14(火)梅雨入りした途端、毎日晴れてます。。

昨日は、ハイマート合唱団との今年度初めての合わせ。ワタクシ、今月26日に予定されている同志社大学のコールフリューゲルさんとのジョイントコンサートにて、ハイマートの単独ステージの伴奏を依頼されています。
大学内のグラウンド横プレハブが音楽研究会の練習場でした。団員数も多いので、練習は狭い所でぎゅうぎゅう詰めになりながらでしたが、歌が好きで歌っている人達の声がたくさんして、意外と心地の悪いものではなかったのです。今回の依頼は、去年のメディックスとのジョイントがきっかけのようで、やはり実際の演奏を聴いて決められた事は有り難く、初めからピアノを信頼して声を出してくれているような気がして、本当に嬉しく思いました。もう本番まで日がないけれど、今彼らのもっているいい声、いい表情を少しでも多くの人達に届けたいものです。


17(金)晴れてます。洗濯物がしっかり乾いて嬉しい。。

明日は大阪府合唱祭です。ここのところ毎年貝塚コスモスシアターで開催されています。大阪府の南の方なので地理的にはウチからはちょっと遠いのですが、車で行けば一時間ほどで着きます。
ところが、明日の移動手段は車ではありません。12時頃のクリトメリア、15時頃のゆきやなぎの伴奏を終えたら、そのまま電車移動で多治見にGO!で、18時半から多治見市文化会館で開催されるコンサートを聴きに行きます。それは「真友会」というコンサートで、お母さんの所属する女声合唱団「ようせい」を指揮されている谷村真一先生を囲む会なのです。「ようせい」の他にも多治見少年少女合唱団や多治見混声合唱団などが出演します。
そして明くる日曜日には愛知県立芸術劇場にて、飯沼さんが客演指揮される東海メールクワイヤーのコンサートがあります。それも多治見の両親と一緒に聴きに行くのです。多治見の家でゆっくりとくつろぐ時間はないかもしれないけれど、それでもやはり行くのは楽しみ!週明けには報告日記を書く事になると思います。どうぞお楽しみに。。。


19(日)多治見も名古屋も晴れました。

昨日、クリトメリアとゆきやなぎの伴奏で合唱祭に出演しました。やはり大ホールの方が響きに助けられて楽に歌える事を痛感。ゆきやなぎは中ホールで歌ったのですが、少人数だからこそ大ホールの醍醐味を味わういい機会だったのかもしれません。ちと残念。「日本語の曲に新しい課題を見つけた」と終演直後の松尾先生。今回の出演が単に「難曲に挑戦した」という事ではなく、何か次に向上するきっかけでありますように。
終わってすぐにタクシーに乗り込み、ダンナと共に多治見へ急行。18時半からの「真友会コンサート」を聴きました。乗り換えやダイヤの関係で、間に合うかどうか瀬戸際だったのですが、着替えもせずに貝塚を出発したおかげで予定より少し早く到着する事ができ、汗だくでしたが(苦笑)ホッとしました。
トップバッターの「多治見少年少女合唱団」が1曲目にいきなりハモンドオルガンの不具合というアクシデントでドキドキしましたが、2曲目の「阿波おどり」で俄然素晴らしいステージを披露、さすがに全国的に名の通った合唱団だけの事はあります。2ステージ目がお母さんの所属する「ようせい」のステージでした。私の好きな「しっとりとしてぬくもりのある低声部」の団で、日本語も自然です。3ステージ目は「ますらめ」というまだできたばかりの若い団で、無伴奏のハンガリーの作品を集めたステージでしたがなかなかの熱演で、まだ表情などにもう少し工夫の余地は感じられましたが、これからどんどん伸びる団だろうなぁ、という印象を受けました。4ステージ目は、今夜の主役谷村先生を慕って集まった合唱団のOBOGからなる多治見混声合唱団。こういう団を持つ事は、指導者冥利に尽きる所かもしれません。そして続く5ステージは、全ステージの出演者による「唱歌の四季」の2台ピアノバージョンでした。何も言う事はありません。迫力も意気込みもしっかり伝わりました。谷村先生から影響を受けた人達のそのまた向こうにいる人達、という風な繋がりが素晴らしい舞台を作っていました。
長くなってしまったので、本日聴きに行った「東海メールクワイヤー演奏会」についてはまたあらためて書く事にします。


21(火)晴れ。水不足の気配が。。

久しぶりに先日、音楽を聴いて涙が出ました。東海メールクワイヤー演奏会での事です。多治見の両親と3人で出かけて、途中までは冷静に聴いていたのですが、ある一編の詩と曲に心をわしづかみにされて引っ張られたままになってしまったのです。「くちびるに歌を」。有名な詩です。この詩がさらに忘れられないメロディーに乗って届けられました。作曲は信長貴富さん。信長さんの曲は、どんなに激しい曲調や難しいリズムの連続が特徴の曲でも、そこには時に心優しい和音やおおらかな流れがあります。そして、作曲者ではなく演奏者にいろんな事が託されていて、演奏者は勿論いろんな事を考える必要がありますが、どんな意見も頭ごなしに否定せず聞いてくれる「聞き上手」みたいな音楽に思えるのです。
そしてこの日「くちびるに歌を」の前奏を聴いた時、なぜか亡くなった父が思い浮かびました。歌好きだった父は亡くなる前、病気のせいで歌はおろか話す事もできなくなっていましたが、「耳は聞こえるから音楽は楽しめるで。」と身振りで話し、病室に自分で編集したMDとMDウォークマンを持ち込んでずっと聴いていました。歌(音楽)を知っていたおかげで、父は最後まで小さな幸せを持っていられたのかもしれません。
東海メールの皆さん、ピアニストの山下さん、そして指揮の飯沼さんは、その音楽を本当に大切に客席まで届けて下さいました。父の事をいろいろ思い出したこの日は奇しくも「父の日」。一緒にいてくれた多治見の両親にも感謝しながら、本当にあたたかな気持ちで帰阪しました。


27(月)晴れ時々くもり、かな。雨は降らんなぁ。。

この夏の山場のひとつ、「谷混サマーコンサート」と「京大ハイマート&同志社コールフリューゲルジョイントコンサート」の二日連続スケジュールが昨日終了。
まず、おとといのサマコンですが、集客予想を大幅に上回るお客様に来て頂いて、我々出演者としては大いにいつもより張り切って楽しく演奏でき、本当に感謝です。今回が公式デビューとなった副指揮者の楠原くん、正指揮者となって少し余裕も出てきた植道くん、二人ともいい顔をして振っていました。企画ステージも、いろいろアクシデントはありつつ、でも皆本番のテンションもいい感じに高くて、私自身も楽しんで参加しました。うまいヘタではなく、今の彼らのもつ「はじける若さ」や「憂鬱」などがそのまま音にも表情にもなっていたように思います。
昨日は、ハイマートの単独ステージで小林秀雄さんの「落葉松」を伴奏。この曲は誰もが知っている名曲ですが、若い彼らにどこまで表現ができるのか、日本語の美しいニュアンスなどが読みとって伝えられるか心配していたところもあります。でも、彼らも本番のテンションがいい感じに高くて、表情なんていつもより5割り増しか2倍くらい良くて、少々急いてしまった部分や音程の不安定だった箇所はあるものの、おおむね今の彼らのいい所は出たかな、と思います。
今回も私は学生指揮者との共演ばかりでしたが、彼らはプロの指揮者ほど指導力も音楽的な力もありません。でもそこには若さとチャレンジ精神があります。やってみてからの失敗が許される人達ですから、ひとまずやってみればいいと思います。それでどこかの大人が「あれはマズい!」と言ったら、考えてあらためればいいのです。何か苦しい事と楽しい事の両方が掴めた人は、また歌(音楽)を続ける事でしょう。私も応援を続けようと思います。


28(火)晴れ。じっとしてても暑い。。

ゆうべの晩御飯のおかずは、多治見の両親が育てて収穫し送って下さった野菜が大活躍でした。
冷しゃぶの下にタマネギ(これが超特大!)のスライスとわかめが敷いてあります。それにポン酢をかけてワフワフ食べます。茄子はしょうが風味のタレに漬けたものです。どちらもご飯がめちゃめちゃすすんで、困った困った。。。
ちなみに今日の献立は、ゴロゴロ具だくさんカレーときゅうりの酢の物。美味でした。。。
たまねぎは多治見の家の軒の所に竿を渡して干してあったのですが、本当に驚くほどひとつひとつが大きくてダイナミックなのでした。お母さんはたまねぎ嫌いなのに、高槻の平林家がたまねぎ好きなのを知って育てて下さったのです。美味しさ倍増です。。

翌月(2005年7月)の独り言はこちら

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