2006年5月の独り言

1(月)夜になって雨が降り出しました。

今日は、少し理屈をこねる事にします。
ある人が言いました。「この世から去る事になった時、この後自分は皆の記憶からだんだん消えていくんだろうと思ったら怖くて仕方ない」と。「そんなヤツいたっけ?」となっていって、最後には「そんなヤツいなかった」という事になるのではないか、と。普段全然そんな風に見えないし、人付き合いもそれほど苦にしてなさそうな人なので、ちょっと驚きました。
自分がちっぽけに思えて仕方ない事は確かにあります。存在価値が突然ないように思えてしまう、というか。目の前の日常生活につい紛れて見えにくくなるけど、時々急に不安になります。たぶん誰でも。そう、誰でも。
でも、姿が見えない事は「いない」事にはならないのです。関わりを持って影響し合ったり、何かに共感し合った人たちは、きっと折にふれ思い浮かべるでしょう。いちいち言わなくてもきっかけがあればそのたびに。残りの日(絶望的な言い方でごめんなさい)、生きた事のために、既に何か成し遂げ終わった事柄を引きずるのではなく、共感を求める旅を続けたいと思います。


3(水)行楽日和!気持ちのいい青空です。

忙しいと言いながら、今日は神戸の美術館に絵画展を観に行き、南京街でランチを食べて、さきほど帰宅。絵画展は兵庫県立美術館で「ホイットニー美術館コレクションに見るアメリカの素顔」というものでした。ダンナは以前アメリカ一人旅をした時に向こうで観たらしいのですが、私はメトロポリタン美術館しか行った事がなく、しかもその時、あまりの情報量の多さに途中でギブアップし無念のリタイヤ、今回実はかなり楽しみにしていました。
面白かったですよー。「移民」「都市」「消費」「記憶」というキーワードに沿って、実にバラエティに富んだ作品が連なっていました。ヨーロッパの芸術のように「誰それの後に誰それが続きました」という縦の時間軸ではなく、「この時こちらから誰それ、その時こちらからは誰それ」という風に横の広がりを感じるのです。
今回私の印象に残ったのは、ジョセフ・アルバースの「正方形礼賛・上昇」という作品。計算された色彩感で、今の私の心にすーっと入ってきました。そう、私は正方形に昔から惹かれるところがあって、色紙が大好きなのもそのせいなのです。特に色の美しいものであれば尚更です。ジャン=ミシェル・バスキアのポップな2作品も、エドワード・ホッパーの静かな油絵も良かったなぁ。ご興味がおありの方、5/14までの開催です。なかなかニューヨークまで観に行くのは大変でしょうから、この機会にいかがですか?


4(木)晴れました。

シリンクスの会、終了しました。毎年本当に大変なイベントだけれど、終わってしばらくすると、しんどかった事がなぜか薄らいでいたりする(笑)。それくらいフルート吹きの皆さんが終わった後にいい顔をなさっているのです。
帰りがけ、今日突如受付においてもらった「うたう劇場」のCDを、出演者の六楽内さんと内藤さんが買って下さったので、サインを入れさせて頂きました!以前の合わせの時に買って下さった諏訪さんが「私も今度持ってくるので、サインして下さる?」とおっしゃったり。もちろん、喜んでサインいたしますわ(笑)!おかげさまでこのCD、水越先生にも好評で大喜びのワタクシでございます。日常の中にフルートを通じて幸せな時間をお持ちの皆さんが、その片隅にこの1枚を加えて下さったら嬉しいなぁ。。


9(火)晴れのちくもり。暑い日。

今日は関混連合同ステージの練習日。ここのところ手がずっとヤバかったので練習は控えめにしていたのですが、つい昨日ちょっと気合い入れてさらってしまい、「ごびらっふ〜」のグリッサンドのせいで右手人差し指(グリッサンドに使う指)が少々ヤバめなまま練習場へ。最初に「ごびらっふ〜」から始まったのですが、グリッサンドをしてみると、鍵盤がかなり硬くてうまくすべってくれません。指痛い。非常にヤバい。ところが伊東先生「この部分のピアノを聴いてもらいます!」とグリッサンドを含む部分を伴奏のみで弾くように指示されました。もちろん、気合一発弾きました。当然皮めくれた。そのくらい指には負担の大きい箇所なんです。でも別の指に変えたりしてそのままずっと弾きました。音が乱れていたかもしれません。でも技術より伝えたい事があったから。伊東先生もきっとそのつもりでおっしゃったのだと思うんです。彼らが何か感じ取ってくれていたら嬉しいなぁ。


12(金)お昼間は晴れ、夜になってパラリと来た。

いろいろあって精神的にちょっと疲れ気味です。でも今日、楽友合唱団の練習に行って、彼らの「夜空ノムコウ」を聴いたらなんだか癒されました。G.W.で一週とんだのに、ちゃんと歌えるようになってはるんです。こんな言い方したら怒られるかもしれないけど、意外やった、正直。本当にちょっと泣きそうになってヤバかった(かなり弱ってるのかも、たはは)。
練習後、ある団員さんが「先生に、やっぱり一週とんだらだいぶ忘れてるなー、って言われると思って、もうそれではいかん、と思ってー」とおっしゃってました。各自そう感じてお休みの間に練習されたのでしょう。ここにくるまでの道のりはかなり険しくて大変だったけど、そういう意地が出てきたらもっと良くなる見込みアリです。7月の演奏会をいいものにするために、一緒に頑張りましょうね!


18(木)ここのところずっと雨降りでした。梅雨みたい。

今日はクリトメリアの一日練習デー。お母さん大会の曲と6月の合唱祭の曲をしっかり目に復習しました。声がよく出るようになると、アラも目立つようになりますよね。仕方ないけど。でも無意識にボンヤリと歌わないように、ここというポイントでは必ず集中しましょうね。それから、練習後にワタクシが「部屋ではなく広い場所をイメージしてください」と言ったのは、練習中に京子さんの言った事と反対の意味ではなく、「高い天井」とか「響きのある場所」をイメージしてみよう、という事でした。反対意見だと思われた方がいたら、混乱させてごめんなさい!
終わって京大に移動。今日はジョイントの合同練習2回目です。いい感じ。学生たちは積極的で、それぞれの団の持ち味は全く違うのに違和感がありません。伸びやかで若々しいラターが歌えそうです。ソプラノのソリストには、うたう劇場2005オリジナル合唱団でもある「ことのは」でご一緒していた小梶史絵さんが来て下さる事になりました。歌声の素晴らしさはもちろん、どうやら人間的にも素敵な方のようで、共演するのがとても楽しみです!
どの団の演奏会も同じですが、「今ここでこの仲間とこの作品を歌う」という事は二度と巡ってこないのですから、とことん楽しんで味わって、そしてもちろんお客様とも何かを共有したいですね。


22(月)今朝はくもりがち。

昨日の午後は関混連の合同ステージ練習でした。長時間だったけれど、疲れたけれど、いい練習と手応えで、その疲労感さえも気持ちいい感じです。これまでは指揮者の曲に対する愛情とか、ピアニストのステージにかける期待とか、そういうものに比べて歌い手の意気込みが追いついていないように感じたのですが、昨日は彼らのうちに秘めた熱意を間近にひしひしと感じました。これを待っていたのです!!
暗譜するくらいに頑張れ、と言われて「え〜」なんて聞こえてましたが、あの莫大なページ数を覚えるのか、なんて思うから大変なのです。そうではなくて、昨日の練習でのポイントを今後ずっと逃さずに音にのせていく、という練習をすれば、自然に覚えます。音だけではなく表現全体が意識された反復、というか。それが高嶋先生に対する感謝、敬意にもつながる気がします。
あと重要なポイントは、休符です。そこは「何もしなくていい場所」ではありません。ブレスをとる事や身体を立て直す事、次の言葉のために気持ちを凝縮させたり、気持ちを切り替える事もあります。音をわーっと覚えるのではなくて、休符も含めて音楽が身体に取り込まれた状態を目指してください。そうすると指揮者は皆さんのいい所を伝えてくれます。皆さんも指揮者のいい所をお客様に伝えられるのです。お客様が「あぁ、彼らはこの指揮者と一緒に演奏できて幸せそうだなぁ」と感じられたら大成功です。さぁ、あと限られた時間に何ができるか。ワクワクしてきたぞ。聴いている人たちが嫉妬するくらいのいいステージ、作りましょう!


26(金)今はくもり。雨が今にも降りそう。

昨日は高嶋みどり先生をお迎えしての関混連の合練でした。学生たちは皆歌いたいだろうと思ったので、当日譜めくりをお願いしている佳子ちゃんに急遽来てもらい、万全の構えで向かったワタクシ。朝から15時までのクリトメリア練習で多少の疲労はあったものの、気合いもひとしお、覚悟を決めいざ練習場へ。やはり作ったご本人からのコメントの説得力、本番も近づいて少し強くなったような学生たちの表情など、どんどん手直しの入る伴奏に少々とまどいながらも面白いひとときでした。この作品が大好きな佳子嬢の「うらやましげ」で、かつ、この貴重な経験に「幸せそう」な表情も印象的でした。
で、帰りの電車で、緊張もほどけホッとした伊東先生とワタクシの会話。
伊「あのー、しょーもない事聞きますけど、ごはんとか毎日作りはるんですか?」
平「普通に作りますよ。手がこんだものではないですけどね。」
伊「苦にはならない、と。」
平「まぁ、おかずは何品以上とかいう人は、最初から相手にしません。」
伊「(笑)」
・・とまぁこんな感じです。指揮とピアノという立場にはこういうおしゃべりは直接関係しないようですが、少しずつ人間性がわかってくると、なんだかさらに面白いものが出来そうな気がして、密かにワクワク度も高まるワタクシなのでした。


27(土)くもってます。気温も低め。

ゆうべ合唱団の練習後、帰りがだいぶ遅くなりそうだったので、車で拾ってくれたダンナと一緒に来来亭に寄ってラーメンを食べました。久しぶりだったのもあるけど、やっぱり美味しかった。なんで深夜のラーメンってあんなに美味しいんだろう。珍しく昼間からちょっと頭痛してたんですけど(きっと前日の緊張のせい?)、食べてるうちに気にならなくなりました。そういう幸せもあるって事で。


31(水)晴れ。暑かったぁ。

先日、お母さんコーラス大会が終わりました。午前中に出場したカンティサクレは優秀賞を頂きました。諸事情により体制が変わって初めての大会という事もあり、誰も口にこそ出さなかったけど結構不安を抱えた中での本番だったのです。でも団員さん一人一人が意識をしっかり持って、目標を持って頑張った成果はあったようです。そこにご褒美が頂けたという感じでしょうか。
夕方に出場したクリトメリアは入賞こそ逃したものの、選曲した「AVE MARIA」の作曲者山岸徹氏が嬉しい言葉を演奏後に届けて下さったのです。「こんなに丁寧に作り上げて下さって、本当にありがとうございます。嬉しいです。」との事でした。京子さんのセンスと団員さんの持つ天性の優しさとおおらかさが、曲と見事にマッチしたのでしょう。9月16日のコンサートではさらに磨きをかけたものをお聴かせできると思います。どうぞ皆さん、いずみホールにお越し下さいね!

翌月(2006年6月)の独り言はこちら

過去の独り言 目次はこちら

にらもやしホームへ