2007年2月の独り言 |
1(木)夜になって冷えてきた。 今日、京子さんと話していて、 「シューベルトの音楽は『憧れ』の音楽だ!」 という意見で一致。彼の音楽にいつもあるあの切なくも清らかな美しさは、「かなわないかもしれないけれど、それでも希望を求め続ける心」に通じる、と。メンデルスゾーンにもシューマンにもない音だ、というお話。クリトメリアの練習の帰りに彼女の車の助手席に乗せてもらって、ほんの少し話しただけなのにこんなに盛り上がる事ができるなんて、ワタクシ本当にいい仲間とお仕事する機会に恵まれているのだわ、とちょっと感激したのでした。 4(日)よく晴れた日。冷たい夜。 昨日、高槻平林家の結成5周年を無事に迎える事ができました。あ、無事でもないか(苦笑)。細かいゴタゴタはありました、そう言えば。でも二人ともおおむね元気でいます。そのためには、二人がそれぞれ自分の分野をしっかり頑張る事、お互いの活動を尊重する事、感謝を忘れない事でしょうか。それに、二人だけで成り立っているのではなく、周りの人たちに支えてもらっている事がとても大きな力になっています。皆々様、本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いしまーす。 12(月)晴れてます。 2月の前半が盛りだくさんだったので、あっという間に中旬になってしまいました。という訳で長めの日記を書いてみたいと思います。 まず、6〜8日にはチーム平林結成5周年記念旅行「Let's Go 北陸!」に行ってきました。これは多治見の両親からのプレゼントです。目的地に向かう道中、福井に一旦途中下車して、同姓同名ピアニスト平林知子さん(2006年1月の独り言に登場)とその愛娘ゆうなちゃんに会う事ができました。福井の美味しいおそばを食べながらしばしおしゃべりしたのですが、食べ物の趣味も合うのがなんだか不思議で面白くて、他にもいろいろ聞きたい事があったはずなのに、そういう事って忘れるんですよねぇ。でも、やっぱりまた次の機会を楽しみにしたい素敵な人でした。 その後両親と合流、温泉入ったり、お部屋で4人お酒を酌み交わしつつごはんを頂いたり、夜中までおしゃべりしたり、金沢の近江町市場探検したり、短い時間ではあったけれど本当に楽しい旅でした。両親は7日の夕方には北陸を発って多治見に戻ったのですが、ワタクシたちはもう一泊して、金沢のオーケストラに在籍するセーコ先輩に会う事にしたのです。先輩はちっともお変わりなくて、こちらが嬉しくなるほどでした。楽しく美味しいランチタイムをご一緒して頂き、先輩はオケの練習に戻られて、ワタクシたちもお腹も心もいっぱいになって帰途についたのでした。 そして、10日は谷混のフェアウェルコンサート。毎年この時期に開催されるこのイベントは、ワタクシにとって寂しい気持ちと晴れやかな気持ちと感謝の気持ち、それに羨ましい気持ちなんかが混ざって、いつも独特の感覚を覚えます。今回は少し多めの人数が旅立つ事もあって、下回生たちも寂しさを隠せない様子で、ステージの最中からそこここでボロ泣き続出でした。最近涙もろいワタクシ、何度も目頭が熱くなってかないませんでした。まだ弾かなきゃいけない曲もあるのに、楽譜見えなくなったら困るし、我慢したんだから!定演やサマコンにのせていない曲で、今回取り上げた曲にもいい曲がたくさんありました。ワタクシの印象に残った曲は「ヒスイ」(作曲:信長貴富)と「うたをうたうとき」(作曲:大田桜子)。どちらも、曲を選んだ人の思いが痛いほど伝わってきたのです。これ、実は歌う時の基本かも、ですよね。 で、昨日は午前中に合唱団vivoとの初合わせをした後、いずみホールで「なにわコラリアーズ&女声合唱団はづき きまぐれコンサート」を聴きました。vivoは知りあいがたくさん所属している事もあり、微妙な緊張感を覚えながら練習に参加したのですが、今回伴奏する「水のいのち」をのびやかに表現する若い人たちの歌声にこちらが乗せられて、気づけば気持ち良く弾いているワタクシなのでした。まだまだ3月の本番までに伸びしろを感じさせる、しっかりした基本を持つ団だなと楽しみになりました。ワタクシだって落ち着いて傍観している場合ではないので(苦笑)、せっかく呼んで下さった事に応えるためにもまだまだ頑張ろうと思います。 いずみホールのコンサートには、また多治見の母ホミさんに来てもらって一緒に聴きました。ワタクシのお気に入り「偽ヨイク」を演奏中、隣で楽しそうに聴いている様子に嬉しくなったのでした。はづきさんもなにコラさんも「聴き手」の心をつかむ魅力を熟知し身に付けている指導者に恵まれて、地味な練習も向上心と目的を持って取り組んでいらっしゃるようにお見受けしました。これ、地味だけど実は大変な事でもあるんですよね。辞めたくなるくらい苦しい事にだって耐えなければ見えてこない世界がそこにあると信じ続ける訳です。そして、あくまでも聴き手には苦労は見せないで笑顔でパフォーマンスを提供する余裕が必要です。でもね、信じ続けていればきっとある時見えてきます。そうやってワタクシは今日まで続けています。もっといいものを見たくて、それを誰かに伝えたくて、今日もひたすら歩く。だって、そこに行き止まりなんてないのですから。 19(月)くもりっぽい晴れ。 歌い手活動にも余念がない日々であります(笑)。おととい昨日とエヴォリュエの練習にガッツリ参加して、自分の中に出てきた芽に肥料をやった感じです。これを練習日以外の日に面倒みて育てる訳ですね。肥料はたまに与えて、水やりや日に当てる事は自分で。自分で蒔いた種から出た芽の世話を自分でするというのは、たぶん何かを育てる基本です。方法をきく事はあっても、他人任せはよくない。当たり前のことですね。演奏会では、そうして育ったいろんな草花をアレンジメントにする感じでしょうか。中心になる大きな花もあれば、さりげなく差し色になる花もあり、花ではなくても素敵な葉ものや実ものもあって。さて、どんなんかな。楽しみです。 26(月)気持ちのいい晴れ。洗濯日和。 兵庫県立芸術文化センター大ホールでのレディースコーラスフェスティバル終了。少し前まで土日は雨の予報だったけれど、お天気もなんとか保って、寒いながらお客様にも恵まれた二日間となりました。実家の母が叔母と二人で聴きに来てくれて、会場の素晴らしさにも演奏にも大いに喜んでくれたようです。この大ホールはかなり広いけれど決してポツンと寂しくならない、豊かな響きを持つホールです。 ワタクシ、今回関わったのは3団体。最初の出番はクリトメリアで、指揮の京子さんが振る別の団から今回4人の団員さんも一緒に歌いました。人数に余裕がある事もあり、早い段階でホールの響きと仲良くなれた気がします。次にカンティサクレ。1曲は日本語、もう1曲はラテン語で無伴奏でした。日本語が若干聞き取りにくいという感想もありましたが、無伴奏で本領発揮だったように思います。ワタクシも歌い手として一緒に舞台に立たせてもらい、正面からホールの残響の心地良さを堪能しました。そして、ゆきやなぎ。今回のフェスに出られない団員さんもいたため、少人数での参加となりました。4月に控えたコンサートのプログラムからイギリスの歌のメドレーを選びました。ダイナミックな表現は難しいけれど、丁寧で温かみのある音楽を目指して、あと少し見直すべき課題も見えてきたように思います。この時期に舞台に立てた事はラッキーかもしれません。 その後間近に控えたエヴォリュエの練習に参加。朝からの集中と緊張の連続だったため、若干身体のあちこちに疲れは出ていましたが、なんとか最後21時半まで眠気にも教われずに歌いました。今こそワタクシの底力が試される時かもしれません。あと少し、できるだけの事をやってみよう。支えてくれる仲間たちのためにも、聴きに来て下さる方々のためにも。 |