2008年12月の独り言

4(木)最高気温が18℃って!

先日、カンティ・サクレ初の単独演奏会が終了しました。開場前の入り口に長蛇の列ができ、開場時間を10分早めて対処。立ち見が出るほど大入りだった客席ではトラブルもあったようですが、お手伝いの方がご尽力下さり、舞台側に影響しないように対応して下さったようです。大感謝です。
第1ステージはハンガリーの作曲家カライの作品4曲。リハではひずみのあった箇所も、本番の集中力とホールの響きに助けられて乗り切りました。ただ表情が硬かったかな。でもいきなり3曲続くアカペラの精度を高く保つ緊張感もあったと思うので、最初のステージとしては許される範囲でしょう。その分4曲目でワタクシがハジけさせて頂きました(笑)。
そして、本山先生をお招きしての第2ステージ。初ドイツ語で11曲、しかも混声のイメージの強い作品です。カライとは違い、ドイツロマン派の王道ブラームスですから、重心を深くしたような響きが必要になります。最初の練習から「身体を縦に深く使った声で!」と本山先生はしきりにおっしゃっていました。軽くて明るい響きが身上だった(かな?)サクレにとっては、新たな試みという部分もあったでしょうか。今回のために、というより、今後のサクレのためにも大きな影響のある作品だったように思います。特にブラームス好きのぴあの弾きとしては、練習の時間さえもたまらないひとときなのでした。
第3ステージはサクレにちなんだお話も交えながら、のちに歌い継いでいきたい日本の作品を集めました。このステージのテーマを決めたり、選曲の段階でいろいろ意見が出て悩んだのも、今思えばいい思い出です。そう言えばワタクシの周りでは、このステージでの動きがとても自然で綺麗だったと絶賛されています。このステージではピアノが舞台の脇に置かれていたので、伴奏つきの曲では振り付けが見られなかったのは残念でした。「ずいずいずっころばし」、正面からちゃんと一度見てみたかったなぁ。
最終ステージは「獅子の子幻想」。コンクールなどで人気の鈴木輝昭さん作曲、蓬莱(ライの字は本当はくさかんむりに「來」)泰三さんの詩による4曲の組曲です。今まで合唱祭やコンクールで別々に演奏していたのですが、そのたびに方言の台詞の言い回しや台詞と語りのメリハリなど、悪戦苦闘しておりました。この作品に愛着も湧いて、なんとかこの良さをより深く伝える方法はないかと模索していたところ、語りの人をお呼びしようという事になりました。そして、力を貸して下さった木下さんの昔話風な独特の口調と優しげな雰囲気で、角兵衛獅子の話はすぅっと会場の隅々にまで行き渡り、団員さんたちも俄然集中力を発揮、照明などの工夫もあって、グッと内容の詰まったいいステージとなりました。個人的にはなんといっても3曲目の「石の仏」ですね。幼なじみのさよの身を案じて、お地蔵様にお願いする話です。秋の夕ぐれ、すすきの波打つ野原を歩いていると脇に小さなほこらがあり、のぞくと赤い前掛けをしたお地蔵様がいらっしゃいます。日頃見守って下さる事に感謝し、故郷の親を思い、ふとよぎる幼なじみのこと。練習中にも何度も鼻の奥がツーンとしてかないませんでした(苦笑)。
聴きに来て下さり、ご意見ご感想を下さった皆様、来られなかったけれど気にかけて下さっていた方々、本当にありがとうございました。また見つかった課題を克服しつつ、また新たな魅力を探しにサクレは歩き続けます。これからもどうぞよろしくお願いします。


8(月)寒さはちょっとマシ?

週末は冷え込みましたねぇ!ワタクシ、昨日開催された「女声合唱団ようせい演奏会」に出るために、土曜日から多治見の平林家に泊めてもらっていたのですが、いやぁサブかったー!!庭のモミジが朝見ると凍ってました。。
演奏会は寒い日にもかかわらず大勢のお客様に恵まれて、団員さんも本番がやはり一番いいテンションで、声もよく伸びていたようです。今回は常任ピアニストの北野先生と2ステージずつ担当させて頂いて、アヴェマリアステージで4曲(+α)と鈴木輝昭さん編曲の「モーツァルトの百面相」という曲を弾きました。ちなみに、ワタクシは練習に前日リハを入れて2回しか行けず、普段の練習では木森さんという若手ピアニストさんが全曲をフォローして下さっていました。今回の演奏会の縁の下の力持ちはここにもいた訳ですね。彼女は当日譜めくりストとして活躍して下さいました。感謝感激です。
このモーツァルトステージが最終ステージだったのですが、ここで演出として、なんとワタクシがアマデウス役に!楽屋にて、同室だった朗読の神保さんに撮って頂いた貴重なコスプレ写真(笑)。


染めようか、スプレーでごまかそうか、いろいろ悩んだあげく、かぶる決心がやっとついたのが3日前!時節柄パーティ用のコスチュームはいろいろあったので、ネットにてこのウィッグを購入したのですが、なんとかギリギリ間に合いました(苦笑)。お陰様で、指揮の谷村先生(父親のレオポルト役の扮装)と二人でステージに登場した途端、大ウケしておりました。決意した甲斐があったというものですね。演出・衣装係のHさんには、「髪を染めた事がない」だの「タイツはイヤだ(結局履かなかったけどー)」だの、ごねたりして申し訳ない事でした。彼女のアイディアがなければ、こんなに楽しいひとときはなかった訳ですもんね。大拍手です。ちなみにこの洋服のフリルは、そのHさんとKさんのお手製で、ワタクシの自前の服に縫い付けて下さいました。本格的衣装係ですね。素晴らしい。
ステージオーダー等の手直しが直前まであり、リハでも右往左往状態な事はありましたが、静謐な雰囲気がよく出ていたアヴェマリアステージも、何度も本番で歌っているらしく表情に余裕のあった「みすずこの道」も、照明や語りの演出効果もあって素敵でした。ホームソングメドレーのステージでは、舞台横の壁にスライドでその曲に合った映像が映し出されたりする演出も!自分たちの単独コンサートだからこそ出来る事を、積極的に作り上げていくその心意気。もちろん好みはあるでしょうが、皆さんのサービス精神には脱帽です。次いつお手伝いする機会があるかわかりませんが、また次回の舞台に向けてどうぞ元気で仲良く歌い続けてください!


15(月)朝方冷えましたね。

昨日、父の十三回忌が執り行われました。亡くなった当時まだ1歳だった姪っ子、「お父しゃん(ママが『おじいちゃん』ではなく『お父さん』と呼んでいたので)、おっきしないの?」なんて言ってた彼女も、今や中学一年生です。月日が経つのは本当に速いものです。
母と三姉妹とその家族、大人7名子供3名でお墓参りをして、食事会をしました。なんでもない話でも、久しぶりに会った母とその娘三家族なら盛り上がります。たぶん、法事ってそういう事なのだと思います。あるお坊さんがお話されていた事ですが、亡くなった人のためにただお経をあげる事が重要なのではなく、今生きている家族が集い、いろんな話をする中で、亡くなってから今日までの自分の事を振り返ったり、お互いを労い励まし合ったりする時間を、亡くなった人がくれるのだ、と。そういう「思いやる」感覚がもっと持たれるといいな、とワタクシも思います。
いつも自分の話に持って行って恐縮ですが、大きく捉えれば法事も演奏会も同じ事かもしれません。そこにまず演奏会の名前があるのではなく、まず人がいて、少しずつ集まって「音を合わせたい、声を合わせたい」と志を同じにして、やがてもっと多くの人と思いを分かち合うために会を開く。ただ漠然と、舞台と客席があって、マニュアル通りに物事を運めて、そこに人を埋めるのではなく。一番最初というか基本はそういう事ではないかと思うのです。ワタクシたちも、音楽の名の下に集まる者として、演奏者側としても聴衆側としても思いやる気持ちをもちながら、時々基本に立ち返ってみてもいいかもしれませんね。


23(火・祝)雨が上がったイブイブ。

13日にメディックス、20日に谷混、そして今日のハイマート定演、怒濤の本番も今年の分はこれにて終了です(まだ仕事自体は終わっていませんし、年をまたいで定演シーズンは続きます!)。大学合唱団の定演関係については、合い間にレギュラーのお仕事挟みつつ、もうあまりに次々とあったもので、ごめんなさい、感想など詳しく聞きたい方は直接会いに来て下さい(苦笑)。そして、いつもお忙しい中駆けつけて下さる皆様、本当にありがとうございます。お目にかかれなくて、いらしている事を知らずにいる場合もありますので、「聴きに行ったよ!」と一言、是非ご感想と共にお知らせ下さると嬉しく思います。
それにしても、今年は嬉しい初共演の多い年となりました。年頭の名古屋大学コール・グランツェ(来年1月にも再共演する事になっています。詳しくは今後の放浪予定を参照下さい。)に始まり、なにわコラリアーズ(ここも来年の演奏会で再共演です!)、東海メールクワイアー(ここも来年の演奏会で再共演!)、松下中央合唱団(現、パナソニック合唱団ですね。)など。団としてだけでなく、人との繋がりも多い年でした。初対面でも既にこのHPをご覧下さっていた方や、逆に顔見知りになってから「実はHPがあるんです。」とお知らせすると見に来て下さった方もいらして、そこから会話が広がったりする事も結構あります。本当に嬉しく思います。不定期更新ではありますが、それでも続けてきた甲斐があったというものですね。
来年もどうやら面白い舞台がいろいろ待っているようです。きっとネタは豊富な感じで今後も音楽活動を続ける所存ですので、どうぞ本人ともども「にらもやしとまとのHP」をご贔屓に。よろしくお願いいたします。

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