2010年4月の独り言

3日(土)春らしいお天気になりました。花粉たくさん飛んでるだろうな。。

お陰様で、いろんな場所でいろんなタイプの曲を弾かせて頂く機会に恵まれておりますワタクシ、得意な感じも不得意な感じも最終的にはそれなりに得意分野にもっていく、という気合いのもとでやっております。

が、まだそれでも初めて体験するような難しいものと出くわす事があります。この場合の「難しい」というのは、弾けないような速さだとか、読めないような臨時記号だとか、そういう意味ではありません。今までやってきた奏法では曲の価値が出ない、というような事でしょうか。一応楽譜通りに弾けても、それでは雰囲気が全然出ないのでかなり工夫する必要があるのです。実は、これがなかなか大変で、ただ闇雲に練習したのでは効果が今ひとつ上がりません。発想の転換が必要になってきます。こういう感覚は久しぶりです。この先も続けていくための苦労であり、また楽しみでもあり、意義でもあります。挑戦のチャンスを頂いた事に感謝しつつ、不得意もそれなりに得意分野にすべく、喜んで今日も汗しようと思います!


11日(日)朝方雨降り。のちくもり。

桜もだいぶ緑色になってきました。柔らかいピンクからまぶしい緑へ。目にも楽しい季節です。

昨日は朝から仕事だったのですが、駅の階段を降りていると、前から少年野球チームの子たちがわいわいと上ってきました。少し大きめの、まっさらな白いユニフォームに身を包んだ小さい子がちらほら混じっています。野球デビューでしょうか。それでもいっちょまえに全身しっかり野球人です(笑)。なんだか微笑ましい春のワンシーンでした。
ホームでは、色違いで幅の違うボーダーの長袖Tシャツを着たカップルを見かけました。二人とも上着を着ていなくて長Tだけだった事にハッとしたのと、色も幅も違うのにペアってる感じがまた微笑ましくて、こちらまでニコニコしてしまいました。
ちょっとハードスケジュールな日だったのですが、朝にちょっと元気をチャージしてもらった気がして「あぁ春まっさかりだなぁ。。」と深呼吸ひとつ。そうしたら、くしゃみが5つくらい出てしまいました。そうだった。春はワタクシにとってそんな季節でもあるのです。朝出てくる前に薬飲んだのにもぅ。


19日(月)かなしいほどの晴れ。

終わってしまいました。コーラスめっせ2010。最高のお天気に恵まれた二日間でした。
一日目の朝、会場である中之島公会堂前にて、集合時間に一番乗りだったワタクシが撮影。

前日の金曜夜には、緊張と不安で眠れないというたぶん生まれて初めてのエラい事になったというのに、終わってみたら名残惜しい気持ちでいっぱいで、自分でも驚いています。
まず、実行委員の皆様、一緒にいさせて下さってありがとうございました。裏方を経験する事は、演奏家も時々やるべきだなと本当に思います。来年も実行委員でイッチョカミさせて頂ける事、嬉しいです。また一緒に面白い事しましょう。

今回は、ゲストの雨森文也さんとのコンビで講座を担当したり、演奏をしたり、自分としては本当に光栄過ぎるほどの機会を頂きました。一方的には何年も前から存じ上げておりましたし、はっきり言ってファンだし、合唱のピアニストとして活動するなら、一度はご一緒したい方の一人として口に出して言っていたくらいです。そのぶん緊張感もひとしおで、初めての作品(今回が初演!)、初めての会場、初めての指揮者と、もう本当に初物尽くしで、かなりイッパイイッパイになり、眠れなかった訳です。でも、実際会場にお見えになって5分後には、すっかりそのお人柄に魅了され、緊張しつつも「ワタクシなりにとにかく精一杯やるのみだ!」と覚悟を決めたのでした。
一日目は公募合唱団によるプレ企画講習会(受講後にコンサートで発表するという目的の講習会)がふたつとコンサートがふたつ。「春うららコンサート」では春を歌った曲などを集めて、「新しく生まれた曲のコンサート」ではここ1年内くらいに発表された新作が演奏されました。
一日目のプレ企画のひとつが女声合唱による「赤い鳥小鳥」の講習で、雨森さんとワタクシが担当したのでした。この作品は、北原白秋の詩による有名な童謡などがメドレーになっています。原曲の持つ懐かしさや優しさ、品の良さ、温もりなどが、信長さんによってモダンにアレンジされてもまったく色あせない、むしろ新しい魅力すら感じられる、素晴らしい組曲です。雨森さんの講座は、その詩やリズムの持つニュアンスに寄り添いながら、譜読み直後の「強弱記号や拍数にとらわれがちな状態」の音を、「日本人なのだからこの感覚はわかるはずですよね」と、歌詞やそこから想像される情景から共感を呼び覚まして導いていくような指導でした。通すだけで24〜5分かかるこの組曲を、今日初めて集まった人たちに2時間の講座で指導、その後のコンサートで発表するのですから、かなりウルトラCな感じでしたが、出演者はもちろん、お客様にも楽しんで頂けたようです。終演後いろんな方から「素敵な組曲ですねぇ!」と声をかけられました。

二日目、コンサートは「さくやこのはなコンサート」のみ、コンクール課題曲の講習会が混声(雨森さん)、女声(山口英樹さん)、男声(伊東さん)でそれぞれあり、飯沼京子さんによる発声講習会、上西一郎さんによる講習会「ドイツ音楽を学ぼう」、向井正雄さんによる講習会「世界へ羽ばたこう!国際合唱コンクールへ」、そして雨森さんの講習会「グレゴリオ聖歌を学んで水のいのちを歌おう」。実に盛りだくさんでした。ワタクシは朝一番に発声講習会の準備を手伝い、午後には雨森さんとの講習会と発表演奏に出演、合間はスタッフとしてドア係をさせて頂きました。これはなかなか 面白い経験でした。
事情により、発声講習会と男声課題曲講習会は、肥後橋のイシハラホール会議室を急遽貸して頂く事になり、受講者の皆さんには公会堂からの移動をお願いする事になったのですが、快く皆さん動いて下さり、またイシハラホールの方も非常にきめ細やかに対応して下さって、本当に助かりました。お天気が最高に良かったので、真新しい緑を見ながら川沿いを10分ほどのコースは思いのほか気持ち良く、ワタクシも何往復かしましたが、快適な散歩という感じでした。
この二日目の「グレゴリオ聖歌を学んで水のいのちを歌おう」講習会が、またあっという間の2時間で、実際雨森さんも「本当はこのテーマなら4時間くらい欲しいのですが。。」とおっしゃっていました。それでも、変に端折った感じでは全くなく、高田作品とグレゴリオ聖歌の密接な繋がりについてコンパクトにまとめて説明をして下さいました。受講者の皆さんもしっかり熱心に耳を傾けられ、発表の場であるコンサートでは最後の演目として歌ったのですが、いい演奏になったように思います。

このイベントに参加して感じた事は、まず主要スタッフが有能な方々であるという事。そこに集まった若いお手伝いスタッフの方々が、また良く気の利く人ばかりで素晴らしかったのです。そういう事が会場の和やかさや笑顔の多さに繋がっていくのですね。
打ち上げにて、大勢の人でごった返している中、酔っぱらったワタクシは無理矢理いろんな人と一緒に写真を撮ってもらっちゃったので、ここに載せます。
伊東実行委員長とゲスト高嶋昌二さんと。

今回の発声講師京子さんとはいろんな場所で一緒に写っているような。。

主要スタッフ三人衆。藤田さん、岸本さん、北川さんと。



そして、今回コンビを組ませて頂いた雨森さんと。

雨森さんは、「前奏や後奏はどうぞ好きに弾いて下さい、あなたの世界を表現して下さって結構です。僕は受け止めますから。」と自由に羽ばたかせてくれました。ワタクシはその懐の大きさと深さに敬意を払いつつ、感謝しながら弾かせて頂きました。ワタクシのぴあのに何かを感じて下さった方もいらしたようで、知り合いからは「今まで見た事のないような平林先生だった。」とも。知り合いではなかった方からも、声をたくさんかけて頂きました。はっきり言います。あれは雨森マジックです。

打ち上げでは、伴奏した大学合唱団のOBOGなど懐かしい人や知り合いにたくさん会えたり、また、初めての方にも声をかけて頂き楽しくおしゃべりができましたし、そこここで歌をきっかけにいろんな交流が生まれているのを感じ、本当にいいイベントに参加できた事を嬉しく思いました。来年は同じ時期に会場をいずみホールに移して開催されます。さて、どんな出会いが待っているでしょうか。楽しみです。


25日(日)真っ青な美しい空でした。

「コーラスめっせ」からちょうど一週間。レギュラーでお手伝いしている合唱団からもたくさん参加してくれた人たちがいたので、各団に練習に行くたびにその話題になり盛り上がりました。そうして甦る記憶のせいで、また興奮状態になってゼェゼェして笑われもしましたが、自然にそうなるんだからこれはしょうがない。あんなに楽しい二日間はなかなかないだろうなぁ。。

それは良かったのですが、そのせいで後回しにしていた練習が月曜日からのしかかって来て大変(苦笑)。迫り来る練習日のために、仕事の合間に楽譜を引っ張りだしては、時間と格闘しながらさらう毎日です。しかし何を弾いても本当に楽しい。なんなんでしょう、この感じは。うまく説明できないけれど、あの二日間が音楽人生に関わるちょっとした変化をもたらしたようです(←他人事みたいですが)。伊東さん、雨森さんはじめ、出会ったすべての人に感謝したいと思います。

という訳で、ちょっとずつ進化(?)しているにらもやしを見たい方、また聴きたい方、今後の放浪予定をご参照の上、ぜひ会場にいらして下さいませ。いつもおもてなしの気持ちで、皆さんの心に届けたい音をご用意してお待ち申し上げております。

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