2011年3月の独り言

20日(日)くもり。暖かい日です。雨降りそうな予感。。

おとといは立命館大学混声合唱団メディックスのフェアウェルコンサート、昨日はアンサンブル エヴォリュエの演奏会でした。それぞれに思ったことを少しずつ。

メディックスから今回卒業する4人は、彼らが二回生の時にワタクシが伴奏した代です。いろいろあって団から離れたワタクシに、「フェアウェルで伴奏してほしい」と依頼があって、卒業してしまうとなかなか一緒に歌う機会もないだろうし、思い出の曲をこの機会に一緒に懐かしむのもいいなと思い、引き受ける事にしました。
去年のフェアウェル以来一年ぶりで訪れた以学館ホールの前には、在団生たちがワラワラッといて、ワタクシの事を直接は知らない代の子たちもいて、だけれどやはりどこか懐かしい雰囲気があって、不思議な感じがしました。ワタクシを見つけてニコニコと話しかけてくれて、でも今は外部の人間であるワタクシに対して少し緊張したかもしれないのに、それは本当に嬉しい事でした。ホールの中に腰掛けると、役職に就いた子や執行回生の子たちが次々に挨拶に来てくれました。全員の名前を覚えた自信はないけれど(ゴメンナサイッ!)、名乗りに来てくれる積極的な感じに嬉しくなりました。平日開催にもかかわらず、OBOGもたくさん聴きに(歌いに?)来てくれていて、ここは社会に出て様々な事を思う彼らがそうして帰って来られる場所なんですね。歌が上手下手という事より、サークル活動の大切な要素はそういうところに実はあるんじゃないかとワタクシは思っています。なので、本当に嬉しかったのです。頑張れ、次代のメディックス!

昨日のエヴォリュエ演奏会、ここのところの日本全体の激震もあって、団員も指揮者もそれぞれのピアニストも何らかの思い(良い類いのものとは限らないけれど)をもって舞台に立っていました。でも、きっと聴きに来て下さったお客様もそうだったのではないでしょうか。今日本にいて、その事を意識しない人はいません。もはや地方の、日本だけの問題ではない。人間として皆考える時なのだと思います。4ステで「水のいのち」を伴奏された木島先生は、終演後の打ち上げの時に「胸のところに怒りのような塊があって、それがもうずっとあって、実は冷静に弾くのが難しかった。」とおっしゃっていました。ワタクシも、胸の中に何かが刺さったまま、でもその痛みを抱えた人間として弾きました。演奏した「もうひとつのかお」は、きっと一生忘れられない作品のひとつになるでしょう。
演奏会前に関東の知り合いからメッセージが届きました。「こちらでは今、節電などの問題もあって、たくさんのコンサートが中止に追い込まれています。練習場すら閉まっていて使えないような状況です。でも、こういう今だからこそ、関西から元気な生き生きとした音楽を発信してほしい。」と。この言葉にどれだけ救われたことか!ワタクシは大きな事は何ひとつできないけれど、許されるならば音楽で人と人を繋ぎたい。そこから少しずつ熱が伝わりますように。そこから少しずつ何かが動きますように。夕日が美しいことを感じる心があれば、響く音の美しさを感じる心があれば、きっとそこには希望も一緒にあるはずですから。

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